会長のあいさつ

公益社団法人滋賀県放射線技師会会長に就任して

京都医療科学大学 松尾 悟


 この度、平成 28 年 5 月 29 日にピアザ淡海にて開催されました第 70 回滋賀県放射線技師会総会にて、平成 28・29 年度滋賀県放射線技師会会長としてご承認いただきました。 松井久男前会長始め、歴代会長の方々のご活躍を鑑みますと、重責を果たせるかどうか不安な気持ちで一杯です。しかし、12 名の理事の方々を始め、事務局および会員の皆様方のご協力を得ながら、一つひとつ取り組んでまいりたいと思いますのでよろしくお願い致します。

 去る 6 月 10 日、私は日本放射線技師会代議員総会にて東京を訪れました。目的地の会議場に向かう電車の中では外国人観光客の多さに驚きました。さらに、日本の会社で働く多くの外国人を見かけました。そのとき、本年 2 月に大津で開催しました近畿放射線技師会学術大会のシンポジウムにおいて、LOC 会長(ホーチミン放射線技師会)が言われた意味深な言葉が私の脳裏に蘇ってきました。それは、「TPP の締結を日本の放射線技師の皆さんはどう考えていますか?」というものです。この TPP というのは、農業や工業関係の関税撤廃だけではなく、医療・保険・教育、そして労働にまで及んでくるものです。労働すなわち、各国で国家ライセンスを取得した診療放射線技師が TPP 締結国において自由に労働ができる可能性があるということです。日本・アメリカ・カナダ、そしてオーストラリアの先進国で働く診療放射線技師の雇用条件に比べ、発展途上国の診療放射線技師の雇用条件は良いとは言えません。自然と彼らの労働先は先進国へと向

いてくるでしょう。そのとき、日本の診療放射線技師はどのように対処しますか。今からでも、世界に目を向けて国際的な感覚を身につけておく必要があるのではないでしょうか。

 次に、代議員総会では、診療放射線技師法の抜本的な改正についての話題が上がっております。現在、医師を除く医療技術職の法令には、「医師の具体的な指示のもとに業務を行うことができる」という内容になっています。これに対して、日本看護師協会や日本臨床検査技師会は、「具体的な指示から包括的な指示」への改正を働きかけています。私たちは、日本看護師教会や日本臨床検査技師会に遅れることなく法律改正が同時に成し遂げられるように厚生労働省に働きかけていかなければなりません。しかし、「具体的な指示から包括的な指示」に法改正するためには、私たち診療放射線技も更なるレベルアップが必要になります。ある意味、今日までは医師が指示した撮影方法や撮影手技で撮影し、得られた診療情報を患者や医師に提供することで問題が無かった訳です。しかし、包括的指示になると患者の疾患に対して私たち自身が最適な撮影方法や撮影手技を考え、最適な診療情報を提供していかなければなりません。今まで以上に、撮影技術や医学的な知識が必要になってきます。これらに対応できるよう診療放射線技師は、日々精進していかなければなりません。

 最後になりましたが、会員のご理解ご協力なくしては、本技師会の事業発展は望めません。どうか事業推進にご理解ご協力の程、よろしくお願い致しまして会長就任のご挨拶と致します。